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パターン形成研究室
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ラムリ君の論文が、Frontiers in Genetics誌に掲載されました。ゼブラフィッシュを使い、人の側弯症の病態モデルを作成した研究です。
人の突発性側弯症( idiopathic scoliosis )は、脊椎が屈曲していく疾病ですが、原因が解っていません。発祥の原因や治療法の開発などのためには実験動物による病態モデルが必要ですが、マウスなどの4つ足の哺乳類では、脊椎にかかる力(重力)の方向が、人とは異なるため、病態モデルとしては不適切です。ラムリ氏は、魚類の場合、ヒレの推進力によるストレスが、人の脊椎に対する重力と同じ方向に加わるため、病態モデルになりうると考えました。そこで、ゼブラフィッシュを使い、力のセンサーとなるピエゾ受容体遺伝子を操作することで、人の側弯症と非常に似た変異を持つ系統を作ることに成功しました。この系統は、今後、側弯症発症原因の研究や、治療薬のスクリーニング等に有用であると考えられます。
助教の黒田さんの論文が、PNAS Nexus誌に掲載されました。
コラーゲンは身体の中で最も豊富に存在し、組織の恒常性の維持に欠かせないタンパク質ですが、器官形成におけるその”動態”にはまだ多くの謎が残されています。この謎を解き明かすためには、生きたままコラーゲンの分布やサイズの変化などを連続的に追跡する新たなイメージングツールの発見・開発が求められます。黒田さんは、ゼブラフィッシュのヒレ先端部に規則正しく配向するアクチノトリキアと呼ばれるコラーゲン線維の構造体に着目し、研究をスタートしました。本研究で黒田さんは、このアクチノトリキアをライブで蛍光標識することができる蛍光プローブを発見しました。さらに、この蛍光プローブを用いることで、アクチノトリキアの「移動」「異方的成長」「選択的分解」といった様々な新規のダイナミクスを発見しました。本研究によって、器官形成におけるコラーゲンが持つ“動的挙動”という新たな側面が明らかになりました。
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